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令和4年12月の法話

威儀即仏法 作法是宗旨

「威儀即仏法 作法是宗旨」 (いいぎそくぶっぽう さほうこれしゅうし)という言葉があります。

その意味は、「全ての生活の立ち居振る舞いが、み仏の教えに帰結する」となります。

 思い返してみると、修行時代に最初に教えられたのがこの言葉でした。

 曹洞宗の修行は洗面や食事、お風呂やお手洗いにまで全てにおいて作法が決まっています。中には秒単位で

決まっている作法もあり、最初の頃はあまりの細かさ、変化の無さに嫌気がさしたものです。しかしその作法の中で生活をしていくと、自ずとその作法の心や意味も理解していくのです。

 例えば洗面ですと水をできるだけ無駄にしないように、食事は食材を限りなく無駄にしないように、お風呂やお手洗いは次に使用される方の為に綺麗に保てるよう工夫されており、「大切にする」「綺麗にする」「他を

想う」という心が作法に込められています。

 当たり前のことのようにも思えるかもしれませんが、その「当たり前」が非常に難しく、当たり前のことを

当たり前に行えることはとても重要で非常に尊いことだと思います。

 修行と同じことをする必要はありません。靴を揃えたり、「ありがとう」を言えたり、掃除をしたり、そんな当たり前のことをほんの少し意識して生活するだけでも心が落ち着いていくものです。

 そして、その心の落ち着きは己を律し、人に動物に物に優しくなっていけるのだと思います。

 その心こそが「威儀即仏法 作法是宗旨」なのではないでしょうか。

【音声法話】

00:00 / 02:37

 兵庫県豊岡市 観音寺徒弟

吉田大悟(教化指導員)

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